あきらめるのは、
全力を尽くしてからだ。

あきらめるのは、
全力を尽くしてからだ。

海外営業(四輪)

久壽米木 誠一

中国本部/中国業務部/チーフ
※インタビュー内容は取材当時のものです。

大学時代、中国経済に関する知見を深め、北京での語学留学にも挑戦。就職活動で当社にエントリーするも縁がなく、2006年、自動車部品メーカーに新卒入社。7年間の営業経験を経て、Hondaのキャリア採用に応募。2度目の挫折を経験するも、化学メーカー勤務後に3度目の面接に臨む。2015年10月の入社以来、中国の生産・販売支援、調整に従事している。

- 職種内容とやりがい -
モノではない。ワクワクを届けている。

- 職種内容とやりがい -

モノではない。
ワクワクを届けている。

入社直後、私は中国での新車発表会に呼ばれた。ざわつき。熱気。そして、目を輝かせる記者たち。発表と同時に歓声が湧き、まるで嵐のように質問がぶつけられる。「今回の目玉はなんですか?」「次はなにを仕掛けるのですか?」心なしかインタビュアーの顔は紅潮しているように見えた。あぁ、Hondaはただクルマを売っているのではない。ワクワクやドキドキ、夢を届けているのだ。そんな想いが喉の奥で震えていた。私に与えられた使命は、世界最大の四輪市場「中国」にて、Hondaの車を通じてこの国のすべての人に喜びを届けること。その結果、販売台数を最大化させること。私はその一員となったのだ。このときはただその喜びを噛みしめていた。

その1年後、私は苦悩に顔をゆがませていた。現地の駐在員から厳しい叱責を受けたのだ。私の仕事は、中国法人の営業支援や生産課題の解決、日本からの部品供給を行うこと。中国側で作成した資料をもとに販売計画を検討し、世界中の担当と議論しながら中国へ振り分ける様に各種調整を行う。しかし、部品供給能力には限りがあるため、中国の主張を100%そのまま通す事は至難の業であり、日中で議論する事もある。ある日、私は資料を見て「まだ在庫がある。追加はあきらめましょう。」と提案した。これが叱責の引き金だった。「お前は中国のなにを知っている?この車種をこれ以上卸せないということは、この国の市場で失敗するのと同じだ。数字の裏にある現地の想いを汲みとってくれ」。ガツンと来た。中国に恩返しをしたいと、自分から手を挙げたこの仕事。Hondaのワクワクを中国全土に届ける。その足を引っ張っていたのは、自分自身だったのだ。現地の声を知らず、データだけで判断し、日本のやり方を押し付けていた。お客様の想いは?ディーラーの想いはどこにいった?駐在員の言葉は、目が覚めるほど鮮烈だった。

今、中国は業界再編のまっただ中にある。100社を超えるメーカーが生き残りをかけて激しい競争を繰り広げているのだ。当然、新車も次々と市場に投入される。私は現地スタッフを鼓舞する。「台数は気にするな。どんどん進めてくれ。どんどん問題を起こしてくれ。それを解決するのが私の仕事だ」。中国のディーラーはエネルギーに満ちている。一台でも多く売りたい。一日でも早く成功したい。そんな熱気にあふれている。カスタマーも同じだ。もっといい車に乗りたい。もっと運転する喜びを楽しみたい。そんな未来を夢見ているのだ。彼らに一台でも多くのワクワクを届ける。それはHondaの未来にもつながっている。あきらめるのは、全力を尽くしてからだ。私は今日も、現地と密なコミュニケーションを行い、時に現地に飛び、生産課題の解決に知恵を絞っている。

- キャリアストーリー -
一生、後悔するか。一生、満足するか。

- キャリアストーリー -

一生、後悔するか。
一生、満足するか。

小さい頃からHondaが好きで好きでたまらなかった。レースを見ては興奮し、眠れない夜を過ごす。そんな少年だった。大学生になった私は、愛車とともにありとあらゆる場所を駆けまわるようになった。中国に留学したときも、同級生と車のことばかり話していた。「NSX、かっこいいよな。」目をキラキラさせながら語り合う。言語も文化も違うのに、車に対する憧れは変わらない。まるで音楽のように通じ合える。そんな驚きが、私をさらに虜にしていった。就職活動ではもちろんHondaを受けた。これが一回目の敗戦。就職後もあきらめられず、キャリア採用にエントリー。これが二回目の敗戦だった。そして、三回目。これがラストチャンスと背水の陣で臨んだ。年齢ではライバルに負けている。でも、Hondaにかける想いなら誰にも負けない。面接では語りに語った。全力を尽くしてダメならそれでもいい。でも、全力を尽くさずに一生後悔するのだけはイヤだった。一度きりの人生。納得して生きる方を、満足して生きる方を選びたかったのだ。

内定の連絡が来たとき、私は飛び上がるほど喜んだ。もちろん二つ返事だ。挑戦の文化は知っていたし、期待に胸を膨らませてHondaに飛び込んだ。しかし、そんな私の頬をぶつように仕事の依頼が降りてきた。Hondaが誇る中国の工場。その広州地区担当のリーダーを任されたのだ。およそ新参者の手におえる代物ではない。足が震えた。でもそれは戦慄じゃない。武者震いだった。これほど早く自分の夢が叶うとは思っていなかったからだ。社会に出てから「留学時代にお世話になった中国に恩返しをしたい。」とずっと上司に言い続けてきた。そのチャンスが、目の前にある。しかも中国最大規模の。震えずにはいられなかった。あれから半年。私は今もその夢の続きを生きている。失敗もあった。激怒されることもあった。だが、現地と想いを共有する瞬間もたくさんあった。大好きなHondaを、大好きなスタッフと、大好きな中国に広げていく。自分のやりたかったことが、すべて自分の手のなかにあるのだ。これほどの幸せ者がいるだろうか。

私には、新しい夢がある。それは新車発表会でスピーチをすることだ。新しいワクワクを、中国全土にアピールする。そのステージに自分の足で立ってみたい。いつ実現できるのかは分からないが、ひとつだけ確かなのは、私が夢をあきらめることは決してないということ。一度フラれたくらいで、挫けはしない。二度三度フラれても、前進してみせる。自分が納得できるまで、やれることは全部やる。それが営業というものだ。Hondaの門扉を三度も叩いた私は、もう知っている。一生、後悔するか。一生、満足するか。それを分けるのは、結果ではない。全力を尽くしたかどうかだ。

column

Hondaの海外営業(四輪※中国エリア)

世界最大の四輪市場である中国エリアの各地域における輸出・販売、販売戦略企画・生産販売調整、及び事業管理。現地法人・販売代理店の事業をサポートする。海外出張、海外駐在の可能性あり。●仕事詳細:完成車・部品の生産管理・販売業務(受発注フロー確立、中国本土へ輸入する完成車の三国間貿易・値決め等・サポート)/中国企業との合弁会社や、香港ディストリビューターに対する輸出・販売業務)/予算の立案・管理、税務対応/現地生産拠点の生産調整・自立化サポート/合弁パートナーとの条件(契約)交渉