新設備の設計にも海外での設備導入にも
正々堂々、出しゃばれ。

新設備の設計にも
海外での設備導入にも
正々堂々、出しゃばれ。

設備保全

田村 憲敬

ホンダ・デ・メキシコ S.A. de C.V. 駐在
※インタビュー内容は取材当時のものです。

1996年、社会インフラ事業会社へ新卒入社し、産業水処理システムの開発を担当。1998年、製造設備メーカーへ転職し、クルマの生産設備・ラインの設計業務を担当。2008年、「現場を知りたい」との想いからHondaへの転職を決意し、浜松製作所で製造設備の保全業務に就く。現在は技術主任として、設備修繕に関する期初計画の立案や予実管理も行う。

- 職種内容とやりがい -
すべてはトラブルを未然に防ぐため。

- 職種内容とやりがい -

すべてはトラブルを
未然に防ぐため。

Honda発祥の地にある浜松製作所。そこに2010年9月、四輪車用AT(自動変速機)とCVT(無段変速機)を生産するトランスミッションの新工場が竣工された。年間生産力は80万基。海外工場にも生産品を供給する、Hondaトランスミッションのマザー拠点だ。私はここで10人のメンバーと共に、プーリーという動力伝達部品を製造する設備の保全にあたっている。何らかの設備トラブルが発生した時、そのリカバリーに問われるのはスピードだ。仮にトラブルから修復までに4時間かかったとすれば、約250基の生産性を失う。必要なものを・必要な時に・必要なだけ生産するHondaでは、それは約250人のお客さまを待たせてしまうことを意味する。私たちの責任は重い。だが、ゆえにプロとしての腕も鳴るというものだ。

Hondaの保全の仕事はトラブルシューティングだけではない。というよりも本来、保全は保守とは異なる。1つの事象から学ぶことでトラブルを未然に防いでこそ務まる。例えば、トラブルが起きて見に行って、「ボルトナットが緩んでいたので締め直してきました」と言って帰ってくるだけでは失格。重要なのはその緩んだ要因を分析して自ら恒久対策を立案・実行すること、これである。Hondaではこの保全本来の楽しさを存分に謳歌できる。いや、それどころか、もっともっと仕事を広げていける。例えば私たちは、新規設備を導入する際は設計段階から検証を行い、遠慮せず大いに出しゃばらせてもらう。図面や仕様を徹底的に分析してあらかじめ設備の弱点を探すのだ。ここ浜松で立ち上げた設備やラインを海外で導入する事案にも、積極関与させてもらう。こうした取り組みこそ最大の未然の防止策ではないか。

実は、私は前職で設計をやっていたのである。この持ち味を仕事へ生かしていきたいし、Hondaも自らテーマ設定をして仕事を広げていく者を歓迎してくれる。その結果生まれてくるのが、マルチな人材だ。そもそも決められた役割だけやっていればいいという時代は、とっくに終わっているはずだ。貪欲に自分の輪を広げてマルチに動ける人材こそが求められる。例えば海外工場を立ち上げる時、現地に赴いて指揮を執るのはそんな人材をおいて他にないだろう。

- キャリアストーリー -
キャリア入社諸君、自分の色は貫いてゆけ。

- キャリアストーリー -

キャリア入社諸君、
自分の色は貫いてゆけ。

私は学校を卒業後、東京で水処理システムの設備導入に携わっていた。やがて単身赴任の危機感を感じ、家族がいる浜松にUターン転職、自動車メーカーへ納入する生産設備の設計職に就いた。ところがやがて、どうしてもある欲求を抑え切れなくなってきた。「自分が関わった設備を現場で見たい。現場を見て、現状を知りたい」という欲求だ。このムズムズが保全の仕事を志す動機に変わってゆくのだが、その中でHondaの<現場・現物・現実>の三現主義を見知って心を揺さぶられた。それと、子供の頃に憧れた、マクラーレンホンダの赤白のF1車体。何かとアツくなる性格の私は、特にあの赤に魅せられていた。Hondaイコール赤、赤イコール情熱、そして情熱イコール自分……「ならば俺はHondaだ!」

入社後、私は夢中で現場を奔走する毎日を送った。気付けば約3年半でチームリーダー、4年目で技術主任を任されていた。私が特にありがたいと思ったのは、“ひるまず自分の色を出してゆけ”という風土である。「設計のほうにも首を突っ込んでいいですかね?」と上司に聞いたら、「どんどんやってくれい」と言われた。加えて「お前はアツくて少し気が短いけど、そこをしぼませることはない。そのまんまで、でも、ちょっとだけ柔らかくなれ」とも。経験も個性も認められたわけだ。Hondaとはそういう会社である。私もあなたを同じように迎えたい。

もう少し現場を勉強したら、再び自分で図面を引いて設備やラインをつくってみたいと思う。以前の私は、現場にとっていい設計かどうかの確信が持てないまま図面を引いていた。いまは違う。現場から「いい設備だ!」と言われるものをつくれる自信がある。欲張りな私は、この目標の彼方にもう1つ、別の目標も見つめている。いつか環境対応車の設計もしてみたいのだ。私は15歳の時、美術の課題で“砂漠の中に立っている一本の枯れ木の絵”を描いた。地球の緑が減っているよ、いつか世界がこうなってしまうよ、という子供なりのメッセージ。社会に出て最初に水処理システムの仕事を選んだのも、環境に寄与したい想いからだった。これも私の“色”である。どうせなら、私のすべての色を出し切りたい。Hondaならきっと可能だ。Hondaは心が広いから。

column

Hondaの設備保全

浜松/栃木/埼玉/鈴鹿の製作所に、自動車製造設備の保全・改善を行う。新設備導入にも携わることができ、海外駐在の可能性も開かれている。●仕事詳細:トランスミッション(加工から組立てまで)の製造設備(機械・電気)の保全業務/バルブやCVJなどの自動車部品の製造設備の保全業務/ボディ工場のプレス設備、搬送用ロボットのメンテナンス・保全業務/ハイブリッドカー向け部品製造設備(電子基板を製造)の保全業務/完成車量産設備のメンテナンス・保全業務 ●将来的には保全計画やマネジメントに携わることが可能。