社内を一本のラインに見立てる。
人事の仕事は、モノづくりと変わらない。

社内を一本のラインに見立てる。
人事の仕事は、
モノづくりと変わらない。

福田 美貴

四輪事業本部/生産統括部/埼玉製作所
※インタビュー内容は取材当時のものです。

大学卒業後、完成車メーカーに入社。人事部に配属となり、新卒採用の仕事に2年半携わる。社内外の多くの人と接する中で、採用のみならず人事として幅を広げて仕事をしたいと考え、2016年Hondaに入社。モノづくりの現場で働きたいと自ら製作所勤務を希望する。現在は寄居工場に勤務し、労働組合との交渉窓口などを担当。

三浦 慎也

人事・コーポレートガバナンス本部/労政企画部
※インタビュー内容は取材当時のものです。

大学卒業後、精密機器メーカーに入社。本社での人事制度運用、工場・研究所での労務・総務業務を歴任する。7年間の勤務を経て、人事の仕事を極めたいという思いから他社への転職を決意し、2019年Hondaに入社。現在は本社労政企画部で人事制度の企画・検討などを担当。自分たちの想いを経営にぶつけていこうという気概を持った先輩・上司に囲まれながら、主にHonda全体の賃金・処遇設計などに携わっている。

- キャリアストーリー -
転職したかった、というより、Hondaに入りたかった。

- キャリアストーリー -

転職したかった、というより、
Hondaに入りたかった。

三浦
福田さんは、前職も完成車メーカーの採用担当だったんですよね。

福田
はい。生活に近いモノづくりをしている業界に魅力を感じて、完成車メーカーに新卒入社しました。半年間の研修を経て人事に配属、新卒採用の担当になりました。自分の会社の魅力を伝えられる前向きな仕事でしたし、先輩と二人三脚で、採用セミナーから内定式、入社式の企画・実行まで任されたので、思い入れも強くなり、とても楽しかったです。

三浦
そこまで一貫して任されるなんて羨ましい。私も人事でしたが、内定を出した後は別の組織にバトンタッチする分業体制になっていましたから。

福田
三浦さんも、たしかメーカーからの転職ですよね?

三浦
そうです。新卒で入社したのは精密機器メーカーでした。福田さんと同じように、私も新人で人事に配属され、そのまま7年間ずっと人事畑にいたんです。次第に「人事の仕事を極めたい」という思いが強くなりました。それには一つの会社の経験では不十分。他の会社でも経験を積まなければ一人前になれないと考え、転職を決意しました。そのとき、頭に浮かんだのがHondaです。小さいころから父親の影響で車が好きで、レースを観戦したりして、製品の面白さやそのチャレンジ精神に馴染みがありました。あとはスポーツ観戦も好きで、野球、陸上、サッカー、ラグビーなど、従業員スポーツに熱い会社という印象もあり、そんなところも魅力的だと思っていました。

福田
私もHondaが転職先の本命でした。採用担当として社内外の大勢の方と接するうちに、「採用だけでなく、幅広く人の働き方や生き方に関わる仕事がしたい」と考えるようになっていました。そんな折、自動車業界の採用担当者会議でHondaの方と出会い、その方々がすごく楽しそうに見えたんです。仕事に対する「ワクワク感」にあふれ、周囲を巻き込む前向きさと力強さがあって。Hondaの企業カラーを感じて、それ以来Hondaが本命になりました。…ということを面接で全部お伝えして、採用が決まりました。

三浦
他社の採用面接も受けたのですが、Hondaの面接では他社よりも若い方が出てきて、権限委譲されていることが伝わってきました。採用の連絡がすぐに来るという、スピード感もすごいと感じました。結婚して1年、マイホームを購入したばかりでしたが、妻も「好きなように生きていいよ」と応援してくれました。

福田
不安はなかったですか? 私は入社2年半での転職でしたから、Hondaの待遇にはギャップを感じませんでしたが。

三浦
正直、前職に比べると劣っている部分もありました。でも福利厚生面全体や長い目で見れば不安を感じる部分はありませんでしたし、何より「本命のHondaで人事を極めたい」という想いのほうが圧倒的に強かったですね。

福田
私たちは「転職したかった」という以上に、「Hondaに入りたかった」のかもしれませんね。

三浦
逆に福田さんは、仕事面での不安はいかがでした? 前職の本社勤務と違って、Hondaでは最初から製作所に配属でしたよね。

福田
自ら希望したとはいえ、たしかに初めは不安ととまどいがありました。例えば、製作所には交替制勤務で早朝深夜に働く従業員が大勢いますから、情報発信1つとってみてもメールを一通配信しただけでは不十分で、その方法やタイミングを工夫する必要があります。今でこそ当たり前のことですが、配属当初はそれに気が付かず、何度も「しまった!現場で働く従業員のことを考えられていなかった」と思った記憶があります。実は私の前任者は、製作所勤務15年以上、経験豊富で皆から慕われるベテランの方だったんです。その分プレッシャーもありましたが、経験の少ないキャリア採用の自分に、思いきって責任のある仕事を任せてくれることはありがたかったですし、やりがいを感じていました。それに、自分から「ここを知りたい」と質問をすれば、立場や所属に関係なく皆が教えてくれますし、気にかけてくれます。

三浦
私も入ってみて、自分から「こうしたい」と伝えることを大切にする会社なのだと再認識しました。トップダウンが強かった前職の風土とは真逆で、つねに「どうしたいのか?」と聞かれて大変です。でもそのおかげで自分の意見が引き出されるので、違和感なくついていくことができました。

- 職務内容とやりがい -
製造ラインにも経営にも向き合う、Hondaの人事。

- 職種内容とやりがい -

製造ラインにも経営にも向き合う、
Hondaの人事。

三浦
さっきチラッとおっしゃいましたが、なぜ製作所勤務を希望されたんですか?

福田
前職は本社勤務だったので、今度はモノづくりの現場に近いところで、人事の経験を積みたかったからです。配属当初は人事異動や評定、処遇に関する実務を中心に担当してきましたが、今年の4月から、労働組合との交渉窓口を担当するようになりました。三浦さんは前職同様、本社での勤務ですよね。

三浦
そうです。現在は人事制度企画の担当として、賃金や処遇についての検討を行っています。製作所の従業員と接することが多い福田さんと、経営に接することが多い私ですが、根底にある「人への想い」や「Hondaらしさ」という点では全く変わりませんよね。

福田
私はHondaに来て、製作所の“一体感”を強く感じています。製作所の使命は「お客様に120%の品質のクルマをタイムリーにお届けする」ことで、従業員は皆、Hondaのクルマづくりに誇りを持っています。働く人の思いがこもったクルマが出来上がっていくプロセスを毎日見られるのは、製作所勤務ならではの醍醐味ですね。また、Hondaの製作所では人事含め全員が同じ作業着。生産トラブルがあれば私の席までサイレンが聞こえてきますし、クルマづくりを中心に全員が一致団結していることを実感できます。現場で働く従業員が、日々やりがいを持ってモチベーション高く働くためには、どんな環境づくりが必要か?ということが、私たちの大きなテーマです。

三浦
いいですね! Hondaには様々な現場があるので、私もいずれ製作所に異動希望を出し、そこでの人事業務に携わりたいと考えています。でもまずは先輩たちと一緒に、新しい賃金・処遇のあり方などを「ダメもと」で経営にぶつける日々です。例えば先日は、新たに「在宅勤務手当の支給」を提案し、経営からGOサインをもらいました。

福田
ニュースにも出ていて驚きました。あれは三浦さんのお仕事だったんですね?

三浦
私はプロジェクトで一番若手でしたが、起案してから半年間というスピードで結果を出せたことは嬉しかったです。良い経験をさせてもらったと思います。企画段階でニュースになったときは慌てましたが、Hondaの注目度の高さを改めて認識する機会にもなりましたね。メディアなど外の力も借りながら、従業員のモチベーション向上に貢献することも、本社人事ならではの醍醐味かもしれません。

福田
そうですね。私もすごくポジティブな気持ちになれました。ただ、新しい取り組みがあると、製作所の人事としては、それをいかに従業員に理解し納得してもらい、実務に落とし込んでいくか、を考えますね。本社では出てこないような運用上の課題が挙がることもあります。例えば、本社では全員PCで申請ができるような制度でも、製作所ではPCに触れる機会のない従業員も多く、何千人もの従業員が手書きで申請用紙を提出する、ということもあります。

三浦
そういう意見を、私たちはしっかり受け止めて、制度や仕事環境の整備に反映していかなければなりませんね。

- ミッション -
人事のプロとしての専門性を磨き上げる。

- ミッション -

人事のプロとしての
専門性を磨き上げる。

福田
Hondaで働いていると、入社1年目から「専門性」を求められるように感じます。あらゆる人から「人事のプロとしてどう思う?」と聞かれますから。

三浦
たしかにそうです。他の部門の人から見れば、私たちは「人事の専門家」ですからね。

福田
ですから人事に関する一般的な知識は前提として、その上で「Hondaの人事」としてどうすべきか?を日々考えるようになりました。書籍やメディアで人事の情報を収集するときも、「Hondaの人事として、自分だったらこうする」と、いわば“自分事”として考えられるようになっています。

三浦
私の職場でも、つねにトレンド・書籍・ニュースの共有を行い、その場で議論しています。先輩・後輩両方からポンとニュースを渡され、すぐに自分の意見を出さなければならないプレッシャーは大きいですよ(笑)。でも、全員が人事のプロとして専門性を磨こうという文化には、しっかりついていきたいと思います。そしてクルマだけではなく、制度面でも先を行く会社にしたいですね。ただし、モノづくりの現場を置いていってはなりません。バランスが重要です。

福田
そうですね。でもその点は、本社の人事の皆さんはすごく気を配っていらっしゃいますね。

三浦
施策がある場合には、製作所・研究所問わずあらゆる事業所の人事部門の課長さん達を集めて議論し、必要に応じて軌道修正します。決して独断では進めません。制度づくりにも1つの工程があるわけですから。私たちから次の工程へ“不良品”を流したら、叱られても当然です。

福田
実際、本社から製作所の人事に対して、「本社としてはこう考えているけれど、より実態を知りたいから教えてほしい」と声をかけられることがよくあります。私たちとしても、現場の実態をしっかりと伝える責任がありますね。製作所の人事と本社の人事、日々向き合っている対象が違うからこそ、お互いに補い合うことが大切ですし、“Hondaの人事”という大きな視点と一体感を持って仕事を進めていきたいです。

三浦
本当に、モノづくりと同じなのだと思います。では最後に、福田さんはこれからどんな人と一緒に働きたいと思っていらっしゃいますか。

福田
夢や、「こうしたい!」という想いを持つ人と一緒に頑張れたら嬉しいですね。その大きさは人それぞれですし、今すぐ実現できるかどうかが問題ではありません。それよりも、一歩踏み出せるかどうかが大切だと思います。そしてHondaは、一歩踏み出せばその何倍も後押しをしてくれる会社です。

三浦
福田さんもおっしゃったように、何がしたいかをつねに問われる会社なので、「こうしたい!」がない人には大変かもしれませんね。逆に、自分でやりたいことを口に出し、それをやり切る姿勢を見せられる人であれば、周りは必ずサポートしてくれますし、やりがいを持って働ける環境だと思います。