この11年間、
あきることなんて一度もなかった。

この11年間、
あきることなんて一度もなかった。

購買

松下 慧

購買本部/購買企画部/主任
※インタビュー内容は取材当時のものです。

大学卒業後、自動車部品メーカーに就職。購買職として経験を積んだが、Honda社員との出会いがきっかけとなり転職を検討するようになる。2007年10月に入社し、プレス部品の購買を担当。2012年4月より約5年間、駐在員としてメキシコに赴任した。現在は購買企画課のグループリーダーとして全世界の課題解決に奔走する。

- 職種内容とやりがい -
すべての部品が、Hondaを宿す。

- 職種内容とやりがい -

すべての部品が、Hondaを宿す。

クルマには、2万点から3万点もの部品が使用されている。当然、なにひとつ欠けてもHondaが目指す『120%の良品』をお客様にお届けすることはできない。たとえ1%のミスであっても、購入者の方にとっては100%。これまでプレスやエンジンなど様々な部品を担当してきたが、Hondaの仕事では一度たりとも甘えが許されたことはない。Hondaの購買職は、自分の担当部品が適用される全車種に責任を持つ。もちろん、プロジェクトの会議では、他部門の専門家から常に自分の意志を問われることになる。「お前はどうしたい?」「お客様のためになにをすべきだと思う?」。モノづくりへのこだわり、プロフェッショナルとしての誇り。転職前は掴むことができなかった手応えを、私は全身で味わってきた。Hondaのお客様は年間2800万人を超える。Hondaの購買職にとっては、“お客様の喜び”こそが合言葉なのだ。

購買の使命は、お客様のために良質な部品を調達することだ。しかし、Hondaがそれだけに留まることはない。お取引先のビジネスについても考え抜く。入社してしばらくが経った頃、私は上司に“Honda”を叩き込まれたことがある。「この見積りの内容でお取引先が安定的に部品をつくれると本気で思っているのか」。お取引先からの提案を報告したときだった。「この部品にはこれくらいの工程が必要だ。どう考えても、この工程設計と価格ではお取引先の事業が成立しない」。現場を熟知しているからこそ出てくる言葉だった。私自身、決して見積りを鵜呑みにしていたわけではない。だが、部品を無理につくろうとすれば、どこかに歪みが生まれる。歪みが生まれれば、安定した品質を維持することはできない。だからこそ、お取引先の立場で徹底的に考え抜く。私は再度、担当者に面会した。無理はしてないか、どのようにすれば目標コストと事業性を両立できるか。何度も何度も議論した。お取引先の担当者もさぞ困惑したに違いない。

あれから数年、今の私は購買企画課にいる。二輪、四輪、パワープロダクツ。すべての事業、すべての国々にまたがる購買戦略を立案する。それが今の私のミッションだ。「電動化へのシフトが加速する中、調達基盤をどう構えるべきか」「海外各地域のニーズとグローバル最適をいかにして両立させていくか」。刻一刻と変わる世界情勢、市場の動きに目を光らせながら、全世界の購買メンバーが、今以上に力を発揮できるような未来予想図を描いていく。クルマに使用されている部品は2万点から3万点。すべての部品がHondaのプライドを乗せている。すべてのお取引先がHondaのプライドを支えている。まだ異動して数ヵ月。今の私になにができるのか。どんな挑戦ができるのか。これからが楽しみで仕方がない。

- キャリアストーリー -
失敗するたびに、大きくなった。

- キャリアストーリー -

失敗するたびに、大きくなった。

前職時代、私はHondaの社員と接する機会があった。自分の仕事に対する情熱を語るその姿に憧れ、Hondaに興味を持つようになった。Hondaは、役に立つもの、喜ばれるものを目指し二輪・四輪・パワープロダクツ製品と幅広い製品を提供している。歩行者保護を考えたクルマづくりのために、世界初の歩行者ダミー人形を開発する。「技術は人のためにある」、「すべての人の移動と暮らしに新しい喜びを」。ないものは自分たちでつくるしかない。 モノづくりへの情熱。モノづくりへのプライド。転職したかったわけじゃない。ただ、この人たちと肩を並べて、世界中をワクワクさせるような仕事をしたかったのだ。

あれから11年。振返ってみると、Honda人生のすべてが挑戦だった。入社して、経験がなかったプレス部品の担当者になり、右も左もわからない中で部門の代表として意見する立場になった。そして入社から5年が経とうとしたころ、メキシコ駐在の話が舞い込んできた。現地で担当したのは、新たな購買組織と新工場の立ち上げ。ゼロからお取引先も探した。たとえ同じ会社でも、国や工場が違えば品質管理が異なることがある。入念に準備をしたつもりだったが、「部品の到着が遅れている」「品質に不備がある」そんなトラブルが立て続けに起こった。コストだけでなく、品質管理やデリバリーについてより深く学ぶ必要がある。猛省した私は、業務や部門の領域を超えて専門家に助言を仰いだ。新人向けの勉強会があると聞けば飛び込んだ。この11年間、挑戦しては失敗した。そして失敗して学んだ。そして学ぶたびに大きくなった。思えば、上司も先輩も誰一人として失敗を咎めるものはいなかったように思う。「若いうちに失敗すればいい」。いつもそう言っては背中を押してくれていた。

5年におよぶ駐在を経て、私は帰国した。日本に戻って1年目はエンジン部品の購買を担当。2年目に現在の企画部門に移ってきた。めまぐるしく変わる職務。この11年間、あきることなど一度もなかった。Hondaは社員が本気でやりたいと思ったこと、本気でやるべきだと思ったことには積極的にチャンスをくれる。ささいな立ち話から、「じゃあ、この企画を考えてよ」と畑違いのプロジェクトにアサインされたこともあった。私の将来の夢はHondaJetに次ぐ新しい製品を手掛けること。本気で願いさえすれば、どんな夢も叶う。そう信じて突き進むことができる。それこそがHonda最大の魅力なのかもしれない。

column

Hondaの購買

購買戦略の企画・実行。海外出張、海外駐在の可能性あり●仕事詳細:先進技術やお取引先に関するリサーチ(業界動向をはじめ、調達構造~部品メーカー様の生産拠点、部品仕様など、購買戦略を企画するために必要な情報を幅広くリサーチする)/調達構造の最適化を目指した、調達戦略の企画・実行(部品調達体制の構築から、お取引先との関係性構築まで幅広い戦略を企画・実行する)/新機種や量産機種品の部品コスト管理・コスト低減施策の推進など