限りない自動運転の可能性をひらく。
ユーザーの幸せのため、どこまでも。

限りない
自動運転の可能性をひらく。
ユーザーの幸せのため、
どこまでも。

自動運転 組み込み・制御開発(四輪)

大内 優子

先進技術研究所/AD/ADAS研究開発室
※インタビュー内容は取材当時のものです。

大学院でソフトウェア情報学を専攻し、SIerへ就職して約6年勤続。周囲が見えるようになった頃、エンジニアとしての成長を期待させる機会の乏しさを覚えて転職を考え始める。Hondaの軽自動車・N-BOXの「ユーザーの声に耳を傾け・ユーザーを幸せにするモノづくり」の開発姿勢に強く共鳴すると同時に、「Hondaならきっと新しいチャレンジを望む自分の想いにも耳を傾けてくれる」と思って応募。2016年にHondaへ入社し、先進技術研究所にて自動運転車開発における開発業務に従事している。

- 職種内容とやりがい -
広大な自動運転領域、そのセンターポジションに立つ。

- 職種内容とやりがい -

広大な自動運転領域、
そのセンターポジションに
立つ。

はじめて研究所の広い敷地内を歩いた時、私は胸が躍った。自信に溢れるエンジニアが熱く議論している。これから世の中へ出ようとしている最新鋭のクルマに、あちこちで出会えた。大勢のエンジニアがその1台1台を取り囲み、爛々と目を輝かせていた。そして、様々なバックボーンをもつ転職者がいると聞いた。数々の最先端研究設備が揃っているだけでなく、クルマの走行実験を行うテストコースも隣接。テストの検証結果をすぐさま研究・開発へフィードバックできる。「この効率的でのびのびした環境で、モノづくりに打ち込めるのは幸せなことだ」と、私の目も輝いた。

私は上司や先輩と一緒に、自動運転車開発におけるシステム全体の状態遷移領域の仕事に就いている。あらゆる走行シーンに思いを馳せ、ドライバーと自動運転システムの双方の状態について深く思考を重ねて、その相互作用に関する安全性・妥当性を徹底的に検証。その結果をふまえて実装につなげていくという、非常に枢要な業務だ。たとえば自動運転モード/手動運転モード間の切り替えや、自動運転システムの状態遷移を実装するために、設計→検証→実装→走行テスト→再設計というサイクルを繰り返す。しかし自動運転車の安全性や快適性は、自動運転システムだけで成立するものではない。だから私の活躍フィールドはシステムを超えて広大な領域へと及ぶ。車両制御技術領域、ガイドの音声や表示などを提供するインフォメーション技術領域、走路環境の認識技術領域、GPSやデジタルマップによってクルマが自車位置を認識するローカライゼーション技術領域、目的地までの最適経路を導くパスプランニング技術領域……それら全陣営と密に接点をもちながら、いわばセンターポジションを務めて全方位を見渡し、安全・安心・快適な自動運転車の実用化をめざしている。

多様な最先端ソフトウェアの集合体である自動運転車は、私自身も正確には数え切れないほど多くのエンジニアが集まって、それぞれの知見や知恵を出し合うことで創られる。私にとってその桁外れなダイナミズムはまさに未体験ゾーンの喜びだった。異業種出身のエンジニアと、クルマ開発を知り抜く技術者が、思ったこと・やりたいことを自由に主張して自分の色を出し切っているのがHondaの良さ。「これをやりたい」「こうしたい」「自分はこれをやるためにHondaへ来た」。そんな声が耳に届く開発現場にいるだけで、「私もどんどんチャレンジしよう」と元気が湧いてくる。実用化に向けた自動運転車の開発は、世界の誰もが経験していないことずくめ。言ってみれば私の仕事は、常に新しいことを考え、きのうまでの自分にはできなかったようなことに、チャレンジし続けることなのだ。「エンジニアとして不断に成長したい」という願いが叶う毎日を、そして「自分にはまだまだ“伸びしろ”がある」と自己確認できる毎日を送っている。

- キャリアストーリー -
“クルマ未経験”を、プラスに転じる。

- キャリアストーリー -

“クルマ未経験”を、
プラスに転じる。

私の前職はSIerでの通信システム開発。約6年たって業務がひと通りに身についた頃、ふと思った。「私はこの先もずっと同じことを繰り返していくのだろうか?それでいいのだろうか?」。一方で自分が他の仕事で輝けるのか、不安にもなってもいた。「成長する伸びしろが、私にはまだあるのかしら…」。そう思い悩む頃だった。Hondaの軽自動車・N-BOXの開発ドキュメンタリー番組を観たのは。N-BOXというクルマが、たとえば主婦の方々の「塾に自転車で通う子どもを迎えに行った後、自転車を載せて帰ってこられるクルマが欲しいわ」という声を聞いた上で、願いを叶えようと創意工夫して開発されたのだと知った。万人受けするクルマづくりが自動車業界の主流だと思っていた私は、心を揺さぶられた。ユーザーの声に耳を傾け、ユーザーを幸せにするために、生活に根差したクルマを創る。なんて正しいモノづくりだろう。この会社で働きたい、未経験でもチャレンジし、エンジニアとして成長したいという想いで応募した。そして、“クルマ未経験”をプラスに転じたいとも思っていた。自動車開発のプロでない自分はユーザーに近い存在。ユーザー目線に適ったフラットな発想ができるはずだ。

入社後はまず、自動運転の各技術領域やシステムのメカニズムなどを徹底的に習得。その後、現業務に就いた。上司や先輩は私の考えや意見を丁寧に聞いてくれる。はなから否定で答えることはなく、耳を傾けた上で、間違いがあれば正してくれる。この風土が、有難い。私はドライバー目線に立ち、その代弁者になったつもりで、思いつくたびにアイデアを出した。ところが上司や先輩はより広い視野で、より視座高く考え抜いていたりする。痛感したのは“客観的に考える”ことの難しさ。彼らと突き詰めて話をすると、私が考えていた“ドライバー”が、実は“自分というドライバー”にすぎなかったのだと気付かされることが多い。そうした気付きの分だけ、私は確実に成長の階段をのぼっている。

N-BOXに負けないくらいユーザー目線に立脚した自動運転車を、世界へ届けることが私の目標だ。そしてそのチャレンジ心を、活気に満ちた現場の空気がいっそう掻き立ててくれる。Hondaには「自分が担当する仕事のキーパーソンは自分だ。仕事に既存のマニュアルはなく、仕事を担当している自分がマニュアルだ」という空気がある。異業種から転職してきた仲間たちもそんな心意気で自由に働き、「だからHondaっていいよな」と口にしている。私はよく思う。“Hondaらしさ”とは、会社全体のことを表す単色の特徴なのではなくて、そのようにして一人ひとりが自分の色を出し切っている姿のことをいうのではないかと。そして多様なバックボーンをもつエンジニアが集まっている自動運転領域は、特に“Hondaらしい”のではないかと。私にはまだまだ出せる色があり、伸びしろがある。以前いつしか忘れていた自分への期待感を、私はこの手に取り戻した。