スタートアップを経てHondaに再入社。企業ブランディングへの想いを軸にキャリアを広げる

「社会にポジティブな影響を与える仕事がしたい」と話す中尾。2019年12月にHondaを退職し、スタートアップで事業運営などに従事した後、2024年に再入社しました。これまでの経験を活かして、現在はブランディングに携わるなかで感じる仕事のやりがい、そして再入社したことで見えたHondaの魅力を聞きました。
プロフィール
中尾 琴音 Kotone Nakao
コーポレート戦略本部 経営企画統括部 ブランド・コミュニケーションセンター ブランドプランニングスタジオ
学生時代はデザイン工学部でHuman-centered Design(人間中心設計)を専攻し、2015年Hondaに新卒入社。四輪のパッケージレイアウトデザインなどに携わる。2019年末に退職し、ペットに関するメディアの運営やペットフードのD2Cサービスを展開するスタートアップに転職。保護犬・保護猫マッチング事業の運営からWebデザイン、SNS運営など幅広く担当。2024年Hondaに再入社し、環境やスポーツ領域のブランディングなどを手掛けている。
人を大事にするものづくりに惹かれてHondaへ

中尾さんは2015年に新卒でHondaに入社しています。入社の決め手になったことを教えてください。
学生時代は、デザイン工学部で広く社会課題の解決をテーマにした研究室に所属していました。環境問題に意識を向けてもらうことを目的としたプロダクトを制作していたので、その経験から、社会課題を解決できるような仕事に就きたいと考えていたのです。
そこで興味を持ったのが、日本において大きな産業である自動車業界です。私自身、昔からクルマに乗るのが好きで、愛犬を連れて家族でいろいろな所に出かけた経験があります。その楽しい記憶と、社会課題を解決したいという想いが交わった時に、完成車メーカーという選択肢が出てきました。
なかでもHondaを選んだのは、インターンシップでの体験が決め手です。商品コンセプトやターゲットユーザーを自分で設定した上で、その人にとって使いやすいクルマを提案するという内容でした。印象的だったのは、かっこいいデザインのクルマを提案すればいいわけではなく、生活での困りごとを改善したり、社会課題解決の視点を入れてみたりすることが求められたこと。人を大事にしたアプローチの仕方は、まさに私のやりたいことでした。
入社後は、どのような仕事を担当していましたか?
四輪の研究開発を行う部署でパッケージレイアウトデザインを担当したほか、自動運転車の将来的な体験価値の研究、EV(電気自動車)の車内空間の企画などにも携わりました。
パッケージレイアウトデザインは、人の使い勝手や体験価値視点でクルマの基本骨格を考える仕事。どんなドライブ体験をしてほしいかという目線で、人間の座る位置や社内空間・視界・荷室の広さなどを考えます。誰にどんな価値を届けたいかでできあがるクルマが大きく変わるため、それを形にしていくのがおもしろかったですね。
動物を取り巻く社会課題への想いが再燃。理念に共感し、スタートアップへ転職

2019年にHondaを退職し、ペット系のメディアを運営するスタートアップに転職しています。このキャリアチェンジはどのような経緯があったのでしょうか。
昔から犬が好きで、犬や猫の殺処分問題にも心を痛めていました。社会人になり数年が経ち、自分の責任で愛犬を迎えたことで、再び自分のなかで関心が高まってきたんです。そんな時、この企業の存在を知り、「人と動物がともに生きる社会をつくる」という理念に強く共感しました。
当時Hondaで担当していた仕事は、すぐに量産化が進むものではなかったこともあり、「挑戦も失敗もしやすい20代のうちに、社会に何かアウトプットできる仕事がしたい」と転職を決めました。
転職先では、主に保護犬・保護猫のマッチングサイトの運営を担当しました。Webサイトのデザインをはじめ、掲載する保護団体の審査や登録基準の策定、利用者間のトラブル対応、SNS運用など、事業に関わる業務は何でも挑戦しましたね。未知の挑戦ばかりでしたが、新たなキャリアを築くことができたと思っています。
その後、2024年に再びHondaに入社しますが、Hondaに戻ろうと決めたきっかけを教えてください。
会社の経営状況が変わり、体制が大きく変化したことがきっかけです。一つのスタートアップが業界の根本的な課題解決に挑むことの厳しさを知りました。自分が感じる社会課題に貢献する方法は、仕事だけではない。個人的な支援など、別の形で関わることもできるのではないかと考えるようになったのです。
そんな折、Hondaがブランディングに関わる人材を募集していると聞きました。前職では会社のミッションに深く共感するメンバーが集まっていたからこそ、デザインや言葉選び、自分自身の言動まで、「この会社のブランドとして適切かどうか」を考える意識が浸透していました。
そういったブランディングの重要性を実感してきたなかで、さまざまな経験を経た次のステップとしてブランディングに挑戦するのはおもしろそうだと感じましたし、知っている先輩たちがいる安心感もあり、再入社を決めました。
ステップアップをめざして再びHondaへ。培った総合力でブランディングに挑戦

以前とは異なる部署での再入社でしたが、不安はありませんでしたか?
現在の部署 は経営層と距離の近い部署なので、提案や報告にもこれまで以上のスキルが求められます。正直、そこに不安はありました。
でも、Hondaを離れていた時期がある分、元の部署に戻ったり、以前と近い仕事をしたりするとなると、同期や後輩との差を感じてしまうのではないかと考えたのです。それならば、新しい環境も魅力的だと思いました。
現在は、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)として環境領域のブランディングを担当するほか、ラグビーチームのブランディングにも携わっています。幅広い業務を担当しているからこそ、スタートアップで事業運営、SNS運用、UI/UXデザインなどを経験して得た総合的な力が活きていると感じます。
また、Hondaの文化を知っているため、何を求められているのかを感覚的に理解できますし、以前から知っている社員がたくさんいることも、仕事のしやすさにつながっています。
大規模な組織とスタートアップのどちらも経験していますが、それぞれの魅力を教えてください。
スタートアップは、自分のアイデアをすぐに経営者に提案し、その場で意思決定されるスピード感がありました。一方、大きな組織では承認までの過程が増えるという違いはあります。けれど、世の中への影響力が大きく、自分の関わったものを広く届けられることは魅力的です。
大きく変化する自動車業界のなかでも、挑戦を歓迎するHondaの文化は変わらない

再入社して感じるHondaの変化と変わらない部分を教えてください。
中国系の新興メーカーが存在感を増すなど、競合企業が変化していることを感じます。Hondaのブランドがこれからも続いてほしいからこそ、業界の変化を幅広い視野で捉え、新たなブランド価値につながるような提案をしていきたいと思っています。
変わらないと感じるのは、チャレンジを歓迎する風土や、新しい提案を積極的に受け入れる姿勢です。私自身、自主性や自律性を求められる文化が好きで、働き方も含めて自由度の高い環境が合っていると感じています。
最後に、Hondaへの再入社を検討している人へ、メッセージをお願いします。
私自身、Hondaに戻ってみて業務の幅が想像以上に広く、可能性も大きいと気がつきました。また、Hondaは事業領域も広いため、キャリアを積みながらさまざまなチャンスが巡ってきます。
Hondaに戻るべきか、今の職種を続けるべきかと迷うこともあると思いますが、入社後してからもキャリアパスを考えるチャンスがたくさんあるので、まずは飛び込んでみるのもいいと思います。
※ 記載内容は2025年2月時点のものです
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