HR Development

人材育成

- SPECIAL INTERVIEW -
自分のために働け―それが、語り継がれるHondaイズム

- SPECIAL INTERVIEW -

自分のために働け―それが、
語り継がれるHondaイズム

人事部/人事部長

SHINICHI OHNO

大野 慎一

新卒で大手精密機器メーカーに就職。2003年にHondaの「ボトムアップの社風」に憧れて中途入社。以来、労務政策など人事業務全般に携わり、人事企画・採用・人材開発を統括する人材開発課課長を経て、現在は人事部長。

SECTION 01

“ボトムアップの社風”
であることが
Hondaの誇り。

“ボトムアップの社風”であると、胸を張って堂々と言える企業が、世の中にどれだけあるでしょうか。Hondaに入社以来ずっと、そして今も強く感じていることです。組織として、特に大きくなればなるほど、ボトムアップは簡単に出来上がるものではありません。ではなぜ、Hondaはボトムアップの社風を実現できているのか。それは、Hondaの中で語り継がれる『自分のために働け』というHondaイズムが根源にあるからです。全従業員が「こうなりたい」という夢を持ち、その実現に向けて情熱を燃やすこと、つまり一人一人が『自分のために働く』ことで、HondaはHondaらしくあり続けてきました。

Honda創業時の名参謀である藤沢武夫は、自分と本田宗一郎が会社を去る前に、ものすごく大きな財産を残しています。「これからは一人の天才が引っ張る会社ではなく、全従業員の総力戦で戦う会社になる」と。それは、全従業員が自分の頭で考え、自分の仕事へのオーナーシップを持って主体的に動かなければならないという、現在のHondaの文化につながるものです。自分で考えてやるから、仕事は面白くなる。誰かの指示を待ち、手取り足取り教えてもらうような文化は、過去にも現在にも、そして未来にもないでしょう。

部下が上司に「どうすればいいですか?」と質問すれば、「お前はどうしたい?」と聞き返されます。言葉足らずでも不器用でも、情熱を持ってぶつかっていけば必ず本気で応えてくれる。何もしなければ、そのままかもしれない。厳しいと思いますか。それとも、やってやろうと思いますか。これが年齢も社歴も役職も関係ない、自分のために働くからこそ成り立つ「Hondaのボトムアップ」であり、人事として最初にお伝えしたいことでもあります。

SECTION 02

Hondaらしい文化を
受け継ぐために
取り組んでいること。

Hondaはグローバルにビジネスを展開する企業。日本のみならず、世界中の様々な変化に対応していかなければなりません。特に前例が全く通用しない今の時代に必要とされるのは、0→1(何もないところから、新しいものを生み出す)を恐れずに挑戦するマインドです。もともとHonda創業当時はそういった挑戦心を持つメンバーが集まっていましたが、果たして現在、どのくらいの従業員がそうした心持ちを持っているか。働くことの意味やライフスタイルに対する世の中の価値観が変わっている中、創業当時に立ち返りながら、今あるべきHondaらしい人材開発を実現していこうと考えています。

0→1の挑戦心を灯し続けてもらうためには、人事として制度をはじめとした全社的アプローチはもちろんのこと、私は組織内(上司・部下)での個々のコミュニケ―ションも非常に大切だと考えています。例えば私自身、Hondaに入社してから6年目の時、週に3日ほど役員に呼ばれ、「この施策は従業員にとって良いものなのか?従業員に響くのか?なぜお前はこれをやりたいのか?」と、毎回2時間以上議論したことを今でも強く覚えています。禅問答のように正解があるわけでもなく、とにかく自分の考えを伝え続けました。後日、役員がお辞めになる際「実際に現場で仕事を担当している人間だからこそ、最も深く考えているだろうし、愛着もあるはず。答えがない中で、当事者として考え続け、自分の言葉で語ってくれたからこそ、この部屋に呼び続けたのだ」と言ってもらいました。忙しい中でこれほどの時間を自分のために使ってくれ、成長させてくれたことには、感謝しかありません。

Hondaの人材開発の特徴として、そうした日々の真剣なコミュニケーションに加え、自分でキャリアを描き、上司と一緒に今後の人生を考えてもらう2Wayシートの活用など、上司と部下が真剣に向き合い続ける土壌と施策があります。Hondaとしては「それらの施策や風土が今も個人の想いを十分に汲み取ることができているのか」といったことに情熱を傾け続けることが大切だと考えています。創業以来込められてきた想いを脈々と受け継ぐ一方で、時には過去のやり方を否定してでも向き合っていくこと。前例の通用しない今、人事もまさしくそのような覚悟が求められており、真のHondaらしさの実現に向けて日々取り組んでいます。

SECTION 03

Hondaの第二創業期に
関わるチャンス。

以前から新卒入社や中途入社に関係なく、誰もが活躍できる風土でしたが、最近は特に中途入社の方の活躍が社内で目立っています。それまでの経験を活かしてくれていることに加え、「やりたいことを、本気でやろう。」というHondaの採用メッセージに強く共感していただけた結果だとしたら、人事として嬉しい限りです。

そもそもHondaの源流は人であり、「自分のために働け」というHondaイズムを改めて浸透させていくことが、人事として最大の仕事です。変化の激しい時代だからこそ、人事から何かを変えられる。全ての従業員の様々な意欲にどうアプローチし、それに応えていくことができるか。上司と部下といったピンポイントだけではなく、組織全体という面でのアプローチが可能な人事だからできる方法を必死で模索しています。

そしてHondaという企業を歴史という大きな視点で捉えた時、個人的に思うのは、現在が『第二創業期』に当たるのではないかということ。時代の変化、人の意識や価値観の変化、これまでの“ものづくり”や“ことづくり”の変化に対して、恐れることなく挑戦し、新しいものを生み出していかなければならない時。でもそれは、Hondaにとってさらなる成長の機会であり、やるべきフィールドはどんどん増えていますが、むしろそれを企業として喜んでいるような気がするんです。今だから出来ることがたくさんありますし、今しか出来ないこともある。自分の力を試したい人であれば、きっとHondaで働く喜びを感じてもらえるでしょう。これから入社する誰もが、第二創業期のHondaを形作る一員になっていく。心の底からそのように信じています。